Loading

BLOG

5.味覚の思い出

味に関する思い出というもの、何歳くらいの記憶がございますか?
わたくしの場合は母に聞くと3歳くらいの記憶だそうですが、父が当時某マーガリンを作っている会社におりましてね。その宣伝用だったのか、ホットケーキにマーガリンをたっぷり塗ったものを子供が喜んで食べている、という写真を撮りたかったのだと思います。


笑顔ニコニコでホットケーキを頬張っている写真…のはずだったのですが、うちに残されていたのはギャン泣きしているわたくしの顔でした。(確か実家のアルバムにあったかしら)

そのときに母が作ったホットケーキが焦げていたのです!そんな焦げたホットケーキを食べたくなくて、むずっていたところ、無理やり食べさせらて「いやーー!」と思った記憶なのですね。

 

子供の頃の味の記憶、同居していた祖母が作ってくれたすいとん、みたらし団子、祖父が噛み砕いてくれたピーナッツ、家の柿、びわ…そんなものが記憶に残っています。

あれは幼稚園の頃でしたか。お味噌汁の味がいつもと違っていたのですね。
母に「今日のお味噌汁、美味しくない」とつぶやいてしまいましたら、母に「嫌なことをいう子だね、まったく…」と言われてしまったのです。それがとてもとても心に残っており、あんまりそういうことは言ってはいけないのだな、と思ったものでした。

後から聞いたら、その日からお味噌を変えたんだと言ってましたよ。

子供の頃から多分、味はわかるほうだったのだと思います。辛いものは子供の頃から好きでしてね。冷蔵庫の中の盗み食いはもっぱら父のお酒のあてだった桃屋のザーサイでしたから(笑)

カレーも家の甘口があまり好きでなく、子供のいない叔母のところが辛めのカレーを作っていたので、いつも叔母のところで大人向けカレーを食べさせてもらっておりました。隠し味にコーラを入れると話しておりましたっけ。それを食べると、ちょっと大人になったような気分になるので、母方の祖父母のところへいって、叔母がきているとせがんだものでした。

子供の頃に食べた辛い食べ物の記憶としては、この叔母の特製カレーの他に母方の祖父母のところで作ったすき焼き。祖母は京都の人で祖父が京都大学に行っているときに知り合ったそうですが、ですからうちのすき焼きは割りしたを作らない関西風。この肉を食べ終わったこっくりとした残り汁にご飯を入れて炒め混ぜし、七味をいっぱいにかけて頂くのが母の実家、桐原家のすき焼きの締めご飯だったのです。


辛いものが好きな家だったのでしょうね。おでんの最後の汁に細めのうどんを入れて、これまたたっぷりの七味で頂く、というのがおでんの締めでございました。

みなさまの子供の頃の母の味、というかお料理の思い出というのはどんなものがございますか?

 

わたくしの場合はとってもレアな感じだと思うのですが、実は「なまこ酢」なのです。
なまこ酢ですよ、なんて飲んべえみたいな(笑)

父も母もなまこ酢が好きだったのでしょう。時折買ってきたなまこを割いて、薄く切って酢醤油につけておきますの。それを母の横に姉妹3人並んであーん、と口を開けておりますと、つけたなまこの橋などを母が親鳥のように口に入れてくれるのを3人で「美味しい、美味しい」と食べたものです。

母はね、お嬢様育ちで料理なんてしたことがなくて、結婚してからりんごのむき方もお米の研ぎ方も父が教えたと聞いております。しかし、負けん気が強くて、なんでも取り組むと1つのものを徹底的にする人だったので、昔のお料理の本などに載っておりました。読者のお料理紹介みたいな?

男兄弟だったせいか盛り付けというものがなく、どーんと出されるというのが母の料理。そういえば彩りとかあんまり考える人ではなくて、お弁当なども1色で構成されているような…苦笑。子供心にもあまりに見栄えの悪いお弁当にちょっと隠して食べることもございました。ですから、自分がお弁当を作るようになったときは、物凄く燃えて作っておりましたね。

でも、味はとても美味しかったと思います。見映えはしないのですけれどもね。
そういうものはどうでもいい的な母の性格が出ていたのだと思います。そんな母ですから、「これ、美味しい」と申しますと、週3回はその料理が出てくるのです。ですから、妹たちと相談して「あれが食べたい、とか言ってみる?」とかどうやってその連続投入を阻止するかを考えておりました。

1つのことを徹底的、でも応用が効かないというか不器用な人だったのでしょうね。

2月に亡くなった父が最後まで食べたいと申しておりましたのが、母の作ったシンプルなチャーハンです。卵とねぎだけ。あと紅生姜を乗せて。味付けは塩、こしょう、醤油のみ。


(父が最後に食べた母の料理)

父は会食が多かったので、外で高級チャーハンも沢山頂いておりましたでしょうが、色々何かが入っているのがあまり好きでなかったようで、この何も入ってないチャーハンが最後まで食べたい、と思うものだったようです。

わたくしにとっての母の味って何かしら。
実家に帰ったら絶対食べたいもの…そう考えるとわたくしもチャーハンかちらし寿司でしょうか。強いていえば、文化釜で炊いたご飯がとても美味しかったのです。

 

子供の頃の味の思い出、ございますか?
それはなんでしょうか?

 

 

香りの力をかりて…

6.好物なるもの「豆大福」

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

CAPTCHA


PAGE TOP