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15.妄想癖のある人たち

世の中には事実と全く違うことを「こうだ」と思い込み、それが正しいと信じ、全てをその発想の中で自分の思ったとおりにしようとされる方が時々いらっしゃいます。過去に何度かそういう方と係わることがあり、大変な思いをしたことがございます。そうした妄想癖に付き合って苦しい思いをされていらっしゃる方、いらっしゃるのではないでしょうか。

事実は無視、自分が思ったことが正しい

一番大変だったのは、1回目の結婚した相手のお母様。この方が今まで出会った妄想癖の最上級の方でございました。お姑さんとの関係で1+1=2にならないことなど、当たり前だろう…とは思っておりました。
しかし、1+1=2056、というような突拍子もないことを言われますと怒るとかを通り越して、唖然呆然、いえ、何がどうなるとそういう解釈になるのでしょうか?と思うことしきり…。

 

そんなことをこちらは1mmも思っていないことで「こういうつもりだろう?」と腹立てて怒っていらっしゃる。あまりにも色々ありすぎて、今では笑い話にしかなりませんが…。

一度なんぞ、家電の呼び鈴がどういう訳か「切る」になっていて、ベルが鳴らなかったのですね。ですから電話に気づいておりませんでした。3日目に電報が来ましてね、「至急連絡されたし」と。その頃の相手が慌てて電話しましたら、激怒されていて「居留守使っているんだろう」というお話。まあ、これは誤解される要因があった話ですが、何故そういう解釈になるの?と思うことばかりでございました。

 

他にもおつきあいした方の中でこの極度の妄想癖にかかっていらっしゃる方がおられました。100人に聞いても、そんな解釈をする方はいないと思います、と断言するようなネガティブな思い込みをされる方でした。

 

しかし、この方々の特徴というのは一旦、自分がこうだと思いこんだら、世界は何がどうあってもそういうものであり、事実がどうかとかは全く関係ないということ。

 

ですから、こちらがどんなに説明しようと、事実はこうだと申し上げても、さっぱり聞く耳を持ちません。むしろ、もっと怒り出す始末…。

 

そして、周りはそこまで意見を戦わすことが面倒なので、はいはい、ということを聞かざるをえないということになるのでしょう

目の問題でもある

能力を引き出すメガネを作ってくださる山崎大志先生のお話では、人の目というのはこの現実を見つめる目と自分の世界を見る目という2つの目があると考えるのだそうです。

 

この2つの目に大きなズレがあると事実を事実として認識できず、自分が勝手に思ったことが現実だと考えてしまう思考になってしまうのだそうです。目の使い方でそんなことが起こるのですね。

 

つまり、事実と違うことを自分の内的世界観でこうだと思い込み、それに従って言動をされるわけですから、周りとしては迷惑千万。しかもわたくしはその方々とは真逆の現実を見る目と内的世界を見る目のズレがほとんどないタイプの人間なのです。事実は事実、感情は感情と切り分けて考えられるタイプなのですね。妄想癖の方と話が合うはずもありません。

 

ちなみにこの現実を見る目と内的世界を見る目が大幅に違い、内的世界を見る目だけで生きていたのがあの「酒鬼薔薇聖斗(さかきばらせいと)」だそうです。彼は自分の中の妄想が現実であり、それに従ってああいう事件を起こしたのだそうです。

妄想癖の方々の傾向

今までに出会った妄想癖の方々は、世界は自分に歯向かってくると考えたり、ネガティブな妄想に囚われたりしている率が凄まじく高いのですが、そのくせ、ご自分に対しての評価も実は物凄く高い、という傾向があります。

 

ですから、必要以上に周りの人を下にご覧になります。あなたはこういうところができてないから、こういうのがダメだから私が××してあげる、と思って接していらっしゃる方が多いですね。またはコテンパンにやり込めるということをされる方が多いのです。

 

そして、この妄想癖の方々はストーカー質と申しましょうか、こうだと思った妄想に支配されておりますから、相手がその世界観に同調するまで執拗に責め立ててまいります。

 

以前、女性をつけまわすストーカーを専門家が追う、という番組を見たことがあります。そのストーカーは自分の中ではその女性が自分と付き合っていることになっているのです。だから、手作りのおにぎりを車のドアミラーにかけておいたりしていたのだそうです。不気味だと思ったのは、その女性が時間がなくて、部屋に戻れず食べかけのお弁当の残りを自分の郵便ボックスに入れて出かけたら、帰ってきたらそのお弁当が綺麗に食べられていたというのです。あとから専門家がそのストーカーに問いただしたら、「あれは彼女からのメッセージで自分の思いに応えてくれた♡」と思ったそうなのです。
信じられませんでしょ?なんでも自分の都合の良いように書き換えて、解釈するのですよ。でも、これに遠からず…な方々って普通にいらっしゃいます。

昔の義母だった方も日に10回近く電話がかかっておりましたね。たいした用事でもないのですが、彼女にとっては一大事だったのでしょう。当時は携帯などがなくて本当に良かったと思います。わたくしが髪が真っ白になった原因の妄想癖の方は同じメールを返事するまで50通とか送ってくるような方でしたから。
ただ、会社で打ち合わせがあっただけで「何をしていたんだ」「浮気だろう」と言い出す始末。そういう奥様、彼女様方もいらっしゃるのではないですか。ただ食事しただけなのに、ありえないネガティブ妄想の尾ひれをご自分で足して、こんな目に合わされたーと悲劇のヒロインぶっていらっしゃる方。ああ、その方の世界の中では立派に酷いことをされたことになっているのでしょうけれどね。

 

そして、必ず自分の正しさを主張されます。
あなたがこうだから(←ここが事実と違う)私がこうしてあげます、大目にみます、このようにさせて頂きます、とかこうしたほうがいい、こうしないとダメだ、と言ってきますね。

物凄く弁がたつ、というのも特徴のひとつでしょう。だから、仕事ができる方も多いです。その妄想がいいほうへでている場合は、ですが。それでうっかり騙されてしまったりするのですね。(←わたくしですが)

 

しかし、この妄想癖の方々は生きている世界観が全く違います。
ご自分の妄想の中で生きていらっしゃるといっても過言ではありません。
ですから、いつかはわかってくれる…というものは期待しないほうがよろしいかと思われます。そして、どんなに説明しても理解してもらおうとしても理解しあえることはありません。(時間かければできるのか…?)

 

もし、そういう方と関わっていらっしゃるのでしたら、ご自分が目を覚ましたほうがいいですよ。その方にあなたはこうだ、と言われていることは、多分事実ではありません。

わたくしが変わったきっかけ

ええ、そうした妄想癖の方に「あなたはこうだ、こういう人間だ」と言われてますと、最初はそうなのかも…と思ったりするのです。
この妄想癖の方は仕事ができる(ように見える)方も多いですから、こちらがいけないのか、としばらくは相手のいうことを聞いてみたりしていたわけです。しかし、途中からなんだかおかしい。事実とは違うことを言い始めて、それは事実とは違う、ということを何度も言い合いになったことがございました。

 

でも、書きましたようにその方々に事実は無用。自分がどう思っているかが全てです。いつまでたっても平行線ですし、こちらが悪くないのに謝らないとならない、という状態。こちらが折れないと収まらないのです。

そうして、言い争いになるのが面倒な方々が謝ってことを済ませようとしてきたために、自分はいつも正しい、と間違った認識をお持ちになっていらっしゃるのです。

 

ですから、何度かことを収めるために自分を曲げたことがございました。

自分が本当に大事にしていることを曲げたり、捨てたりしてその相手のご機嫌を取らないと何をされるかわからなかった、という状態。恐怖よりも自分が自分に嘘をつくことの虚しさ、無力感。そして、ある日から一切自分を曲げず、折れて理不尽に謝ることを拒否し、徹底抗戦をすることになったのです。来る日も来る日も言い争い、怒りってこんなに湧いてくるのだ?自分ってこんな汚い言葉を使えるのか?という状態。このストレスから髪が真っ白になったのです。

 

普通の方はここまでバトルをする体力と気力はございませんでしょ。ええ、やらないほうがいいですよ。さっさと離れたらいいのです。

 

ある日、その方が執拗に言ってくる「お前はこういう人間だ」ということに対して、今までは歯向かっていたのを「ええ、わたくしはそういう人間ですが、それが何か?」と開き直ったのですよね。もちろん、事実に対してだけですが…。
わたくしもまた、自分はもっとすごいんだという妄想に囚われていたのだと思います。それが自分の至らないところ、ダメなところ、つまり事実を事実として受け入れた瞬間に相手の世界観とは全く違う、ここは自分のいるところではない、ということがはっきりとわかり、その日を境に出て行くことになったのでした。

 

わたくしの中の教訓は「妄想癖のある方とは関わらない」です。本当に自分を生きたい、自分がこの世界に持ってきた目的のために生きたいと思われるなら、妄想癖の方に囚われないことです。

 

わたくしは人生の中でこの妄想癖のある方々と係わることがあると、どうやら自分の現実というものをより見直し、これが自分が望んだ現実なのか、ということを見つめ直し、自分が現実だと思って見ているものをリセットをかけるということが起こっているように感じております。

 

とあることから、この2度と経験したくない出来事を思い出し、振り返り、その時の意味をもう一度考えることになりました。

なるほど、また強烈なシフトチェンジが起こりそうです。

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